河郷診療所

「求人を出しても、なかなか連絡も来なくて困っています」とのお話しをうかがって、ホームページを企画しはじめました。
中山間地域の歴史ある診療所です。建物の外も内も、とても懐かしい佇まいです。しかし、先生の話を伺っていると、ただの田舎の診療所ではないことがすぐにわかりました。
外来診療を終えると先生は、患者さんのご自宅へ往診に出掛けます。その数、月に約80件。様々な疾病を診察し、臨機応変に専門医へ繋ぐフットワーク。さらには寄席を催して、「笑い」を薬に代える術まで…。
ユーモアを交えながらの語らいを聞きながら、正直戸惑いました。
よくある医院のホームページのように、写真とお堅い文章では、これを表現することは難しい…。
そんな苦悩をよそに、先生の語らいはヒートアップしていきます。絵描きさんに来てもらって、診療所を絵にしてもらったとか、歌手にも来てもらって、往診の姿を歌にしてもらったとか…。
そこで閃きました。写真ではなく絵を載せよう。文章は詩にしてしまおう。ついでに歌をBGMにしよう。
さて、求人サイトですから、実際に働いている人たちのインタビューは欠かせません。6人の方に話を聞いてみて、確信したものです。絵も詩も歌も、そのままこの診療所の真実を映していると。
ホームページを公開した後、うれしいお知らせをいただきました。「おかげさまで、求人に3人も応募があったんですよ」。
「私たちは診療所のありのままを伝えただけ。もともと、素晴らしい診療所ですから、応募があるのは当然です」とお応えしました。